

さて
人の生きる理由…
真解はこの2つです

……。

……。

……。

おや、皆さん
どうしました?

…あの…
拍子抜けしていると
いうか
何というか…

それは何故
でしょうか?

確かに…
今までずっと
やってきたことではある。
でもよ
そんなものが答えなら
俺達の人生に
意味なんてないって
言われてる気がしてよ…

そうですか。
では
どんな”解”であれば
ここにいる皆さんが
納得できるか
考えてみましょうか

みんなが…納得…

そう。
みんなで
考えるのです。
みんなでこれに代わる
”真解”を出してみましょう

う~ん…
そう言われると…ねえ

それを教えるのが
先生の役割じゃないの?

そうですね。
なので
お伝えはしました。
ただ
相互関係にある
”学び”では、
受け取り側が
納得できない限り
”学び”には至りません

ふむ、では例えば…
幸福の追求…などが
生きる理由のひとつと
言われるがの

アリストテレス…ですか

じゃあ、その幸福って
何なの?

私はダンス!!

俺は鍛冶!!

最高の音を…

やめろやめろ!
収集がつかねえ!

禅の世界では…
涅槃(ねはん)の追求
つまり
苦しみからの解放を
目指しておる。
そのために
”今”を生きるのだ。
環境に
惑わされずにな

結構しゃべるのねアンタ…

ふむ。
仏教では確かに
そのような視点で
”解”を出します。
では
”今を生きる”が
理解できない方
環境に左右される方は
どうなりますか?

仏教では…って
仏教の看板みたいな
顔してるくせにねえ

できぬ者は…
苦しみの中でもがき
…いずれ淘汰される。
それが理(ことわり)で
あろう

理(ことわり)…ですか。
ではここで皆さんに
次の質問です。
真の理(ことわり)…
『真理』とは
何でしょう?
たどり着けなければ
振り落とされる。
そういうものになりますか?

不変の…
…答えみたいな?
絶対に変わっちゃ
いけない…何か

変わってはいけない…
なるほど。
守らなければいけない
決まりごとのようですね

変わってほしくない?
…かな

希望…望み、ですね

そうね…
…そうかも

他の方はどう思います?

己が道を進み
…最後に到達する場所

同感だ。
己が修行の先にあるもの。
誰しもが辿り着けぬ境地。
だからこそ尊い。
それこそが『真理』

じゃあ
修行僧しか答えに
たどり着けない
ってこと?
逆に浅くない?

まずさ…
『真理』って言葉自体
普段使わない言葉だから
想像もつかないんだけど

あ、分かるそれ

『真理』なんてもん
最初からねえ!
って解答もあるぜ?

いいですね。
皆さんしっかり
『真理』を
実践できています

ん?
どゆこと?

感じて、考える、の繰り返し

いや…
そりゃするだろ。
だからそれが『真理』か
どうか話し合って…

その行い、そのものが

だ~か~ら!
みんなが
できること過ぎて…

そう。
『真理』とは…
それのことなんです


誰もが行き着く…

答え?

はい。
どんなに難しい理論を
構築しても
どんなに苦しい思いをして
見つけたとしても…
その逆だとしても。
誰もが確実に
行き着いてしまう。
それが…『真理』の正体

誰もが…

皆さんは今
『頂点』を目指すように
議論を交わしていました。
まるで
『真理』が
どこか遠くのもののように
感じるために

それが間違いだと?

いいえ。
『真理』の実践と捉えれば
何も問題はありません。
ただ
『真理』という概念は
何物にも影響を受けず
ただ静かに
常に
そこにあるものなのです。

ううむ…
解るような
解らぬような

今日は…ここまでに
しましょうか。
無理に答えを急がせるのは
この学園の本意では
ありません。
皆さん自身の心で
考えて、感じていただく。
それを奪うような行為は
『真理』から
遠ざかる行いですから

自分で考えて…

感じろ…

また宿題ってことか?

いいえ、宿題では
ありません。
答えは変わらないので。
次回の授業で行う
『頂点』という価値観を
紐解くことで
理解に近づけるかも
しれませんね。
では…
一礼を
